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アイビー便り

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沖縄に施設は多いのか?

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こんにちは アイビー院長です。

 

以前から「沖縄は施設(入所者)が多いよ」という話を聞くことがありました。

 

沖縄に帰ってくると確かに施設からの訪問診療の依頼が一定数あるので、そうなんだろうなと思いつつも実態は

よく分かっていなかったのですが、最近のデータ(2020年10月時点)を雑誌で見たのでご紹介します。

 

まず介護保険施設とその類型について述べます。

 

1)介護老人福祉施設:いわゆる特養(特別養護老人ホーム)のことですね。

 

2)介護老人保健施設:これも老健と言われ、在宅復帰に向けた療養の場所です。

 

3)介護医療院:平成30年に創設された医療の必要な要介護高齢者の長期療養・生活施設です。

 

4)介護療養型医療施設:介護医療院の前身で令和5年廃止予定。

 

 

以下、沖縄における人口10万人あたりの定員数とその都道府県別順位を見てみます。

 

1)特養は619名で45位、2)老健は319名で47位、3,4)介護療養・介護医療院は29名で32位となります。

1)の首位は秋田県で1275名(人口10万人あたり、以下同じ)、2)も秋田県で728名、3,4)の1位は高知県で

277名となります。

 

訪問診療で老健には伺えませんし、特養・介護医療院の場合も訪問できる患者さんは非常に限られます。

 

 

それでは訪問診療の対象となる高齢者の住まいの他の類型を見てみましょう。

 

5)有料老人ホーム

「介護付き」:介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受けて介護等のサービスを提供するもの、

「住居型」:施設に介護職員を置かず外部より生活支援等のサービスを提供するもの、

「健康型」:自立した高齢者に食事などのサービスを提供するもので要介護状態になると契約を解除して

退居しないといけないようです。

 

6)サービス付き高齢者向け住宅:サ高住と言われるもので、安否確認や生活相談など高齢者の生活を

支えるサービスを備えたバリアフリー住宅です。

 

7)グループホーム:介護が必要な認知症高齢者が職員と共同生活を送る高齢者住宅です。

 

8)軽費老人ホーム:身体機能の低下等により自立した日常生活を営むことに不安があり、家族による

支援を受けることが困難な60歳以上のものが入所する施設です。

 

9)養護老人ホーム:65歳以上の環境・経済的理由で居宅において養護を受けることが困難なものが

入所する施設です。

 

最近のデータで高齢者向け住まい・施設の全国での定員数を見ると、上記1)特養が57.6万人、

2)老健が37.3万人、3,4)介護療養・介護医療院が5.3万人、5)有料老人ホームが57.3万人、

6)サ高住が24.7万人、7)グループホームが20.7万人、8)経費老人ホームが9.4万人、

9)養護老人ホームが6.2万人でした。

 

介護保険施設を除くと有料老人ホーム、サ高住、グループホームなどが主な居住施設と言えるでしょう。

 

それでは今回の資料で提示されている有料老人ホーム(特定施設)、サ高住の沖縄における人口10万人

あたりの定員数とその都道府県別順位を見てみましょう。

 

5)有料老人ホーム(特定施設)は94名で39位、6)サ高住が161名で35位でした。これに介護保険施設

を加えた全施設合計の定員は875名で46位でした。

5)の首位は埼玉県で300名(人口10万人あたり、以下同じ)、6)のトップは北海道で410名となります。

 

今回のデータでは、有料老人ホームのうち特定施設だけしか見ていないので結論は出ませんが、

沖縄における施設(入所者)は思ったより多くないのかもしれません。

 

他の類型の定員・施設数が沖縄ではどうなっているかも今後調べてみたいと思います。

 

 

参照文献:

石川雅俊 介護サービスの供給状況の地域差①~④ CLINIC BAMBOO 2022年2月~5月

永井康徳 たんぽぽ先生の在宅報酬算定マニュアル第6版 2020年7月

国民の福祉と介護の動向 vol.68 No.10 2021/2022

国民衛生の動向 vol.68 No.9 2021/2022