アイビー便り
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教えて林くん:そもそも介護保険は何のために出来たの?
- 2023年1月15日
- 教えて林くん
Q12. そもそも介護保険は何のために出来たの?
年を取って認知が進んだり、体が動かなくなると介護保険のお世話になると思うけど、この保険制度が
出来た目的は4つあると言われているよ。これには時代の変化も大きく影響しているんだ。
①介護に対する社会的支援
素晴らしいことに日本は平均寿命の伸長が著しく多くのひとが長生きできるようになったのだけど、
高齢になったときの介護を誰がするかが問題になったんだよ。
働き方が変わって、以前のように両親の世話を長男の嫁を中心とした家族で行うことが難しくなり、
介護を社会、皆で援助するようにしたんだ。
②要介護者の自立支援
年老いるということは社会的存在や自分の能力(出来ていたこと)を徐々に喪失していくこと。
子供に帰るともいえるけど、自分が築き上げて来たものを失うことは非常につらいことだね。
それでも自分の持っている能力に応じて、人間としての尊厳を守りながら生活すること支えるのが
自立支援といえるよ。
③利用者本位とサービスの総合化
介護保険前の老人福祉は市町村がサービス利用の可否や種類・内容、提供機関などを決める措置制度
で行われていたよ。そのためサービス内容の選択が出来なかったり、利用に所得制限があったりなど
使い勝手が悪かったようだね。
そこで利用者の希望に則って多様な事業所から必要なサービスを総合的・一体的に受けられるように
したんだよ。このためサービスの導入を支援するケアマネージャーも誕生したんだ。
また利用手続きも措置制度とは異なりサービス事業者と要介護者との間の利用契約制に
変わったんだよ。
④社会保険方式の導入
25年問題も控えて今後介護が必要な高齢者が増えていく現実に対して、全ての財源を税で賄う措置制度
は存続を危ぶまれていたんだ。そこで将来に渡って安定的にサービスを提供できるように社会保険制度
が導入されたんだよ。
40歳以上の被保険者が共同連帯の理念で介護保険料を納付し、避けては通れない老いに対して皆で
支え合っていくことになったんだ。
参考文献:
厚生の指標増刊 国民の福祉と介護の動向 Vol.68 No.10 2021/2022 厚生労働統計協会
高齢者福祉論 介護保険制度の理念・意義・課題 香取照幸 東洋経済新聞社 2022年
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