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アイビー便り

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認知症への対応

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こんにちは、アイビー院長です。

 

高齢化社会のいま、認知症はわれわれかかりつけ医が頻繁に遭遇するものの一つです。

介護する家族に苦労が絶えないこともあり、どのような対応が最善かを日々学ばないと

いけないと思っています。

 

そのような中、浦添市認知症ネットワークミーティングで城間クリニック城間先生が

お話された「マンガ 認知症の困った症状はよくなる」が勉強になったので紹介したい

と思います。

 

 

 

まず認知症とは一度獲得された認知機能(理解や判断、ものごとの筋道をみる論理などを

司るもの)が、何らかの原因により段々低下し、日常・社会生活に支障をきたす状態をいいます。

 

マンガでは実際の症例のストーリーが示されるなか、認知症の患者さんに携わるすべての

人に知ってほしい9つのポイントが提示されています。

 

ポイント1 認知症にはさまざまな種類がある

良く知られているアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症以外にも原因となる

疾患が70種類以上あるそうです。

 

ポイント2 症状からわかる、認知症の見分け方

認知症には特徴的な症状がありますが、混合してあらわれることもあります。

大事なことは病名の診断よりも「いま現れている症状」を重視して治療を考えることです。

 

ポイント3 認知症にまちがわれやすい病気とは?

認知症と似た症状を呈して根治療法のある病気もあるので鑑別診断が重要です。

 

ポイント4 「中核症状」と「周辺症状」の違い

中核症状は脳の働きの低下により起こる主症状で、周辺症状は中核症状に付随しておこる

ものです。介護者を悩ませるのは主に周辺症状(失禁・不潔行為、徘徊、暴力・暴言、

無為・無反応、睡眠障害、介護抵抗、食行動異常、妄想、幻覚・幻聴、不安・焦燥、抑うつ)です。

 

ポイント5 患者と家族(介護者)を救う「認知症治療法」がある

「家族(介護者)ファースト」が「患者ファースト」というコウノメソッドの紹介です。

 

ポイント6 「抗認知症薬」の問題点を知る

使用(増量)規定どおりの処方で悪化することもあるので要注意。かかりつけ医はその

副作用も含めよく知っておかねば。

 

ポイント7 改善のためなら、漢方やサプリメントも有効活用する

エビデンスに固執せず、効果が期待できるであれば柔軟に取り入れます。私も否定は

しませんが家族の悩みに便乗して高額な費用を請求するものは要注意ですね。

 

ポイント8 家族や介護者が主治医になる「家族天秤法(施設天秤法)」

薬の効果を一番知るのは身近な介護者の目であることから緊密な連携下で行なうべきでしょう。

 

ポイント9 家族、介護者も役立つ、必要な「医療」と「薬」の知識

現在の認知症治療に完治はあり得ませんから、その効果と限界を知ることは家族・介護者に

とって非常に重要でしょう。

 

ポイント5にあるコウノメソッドでは患者と介護者の一方しか救えないときは介護者を救うとしています。

 

これは厳しいようにも感じますが、もし実際に介護者(家族)が倒れたら誰が患者の面倒をみるのか?

 

認知症の介護における体力・精神的な厳しさを良く知るものから、認知症治療の問題点を言い当てている

と思いますし、病(者だけ)を見ずに人(その介護者)を見よということでしょうか。

 

コウノメソッドの知見も取り入れながら認知症であっても本人と介護者が穏やかに過ごせるように

心を配っていきたいですね。