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「訪問栄養指導」 自宅で栄養指導を受けるには?

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皆さん、管理栄養士が自宅に来て栄養指導や食事相談ができる事を知っていますか?

 

自宅で過ごす療養者のもとへ管理栄養士が出向き、栄養指導や相談を行う事ができる

医療保険や介護保険の制度があります。

 

医療保険では「在宅患者訪問食事栄養指導」、介護保険では、「居宅療養管理指導」といい、

どちらも、病気や加齢等から発生する食事の問題で、改善が必要な場合に、医師から

指示を受けた時に行う事ができる栄養指導です。

 

指導の対象者はご本人や家族等となります。

 

医師からの食事箋(お薬でいう処方箋)が必要であるため、対象となる病気の診断がある

ことと、病院に通院できないため、病院で栄養指導が受けられない事が条件となります。

 

多くの高齢者の場合、介護認定を受けられているため、ほとんどの方が、この介護保険の

「居宅療養管理指導」となります。

 

ただ栄養指導が開始されるまで担当の介護支援専門員(ケアマネージャー)さんの調整が

入るため、やや時間がかかる場合があります。

 

 

では、自宅での管理栄養士による栄養指導は必要なのでしょうか?

 

在宅で過ごされている、介護認定を受けている方の栄養状態を調べたとき、要支援者の

46%が低栄養または低栄養の恐れありという状態であると結果があります。

 

また、「通院できない者」として該当する可能性が大きい、介護4及び5の高齢者においては、

ほぼ100%低栄養状態にあるという状況が報告されています1)

 

在宅で過ごされる、高齢者はほぼ低栄養状態ということです。

 

このような状況のなかで、管理栄養士が自宅を訪問して栄養の支援・アドバイスを実施した場合、

エネルギー・たんぱく質・体重の増加が認められたとの報告があります2)

 

また、1人の方に栄養指導に訪問する回数としては、2~8回くらいの回数ですが、訪問回数が多い

ほど、疾病等が改善する割合が多かったという研究結果が報告されています3) 

 

栄養状態はその方の生命の維持はもちろん、身体機能等に大きく影響があり、自宅にいる高齢者の

方ほど、どこかで栄養の専門職である管理栄養士の支援が大切であると思います。

 

自分が言うのも何ですが、栄養士って嫌われ職業だと思っています。

 

だって、自宅で自由に食事を楽しめるのに管理栄養士が来たら、もっと薄味に!甘いものダメ!

揚げ物は食べないで!って、言われると思いますよね

(もしあるとすれば患者さんのためを思っての事ですが・・・)

 

でも、自宅に訪問する管理栄養士は、いつも使っている食材・食器を確認しながら、さまざまな

食事への工夫をお伝えできるので、病院で受ける栄養指導より効果的相談ができると私は思っています。

 

ご本人様ファーストで栄養の改善方法を考えお伝えすることができます。

 

高齢者で訪問診療を受けられている療養者の多くはおそらく訪問栄養指導の対象になると思います。

 

管理栄養士に栄養の事を聞きたいと思われる方は、担当の介護支援専門員の方へ相談してください。

 

また、高齢者の方ではなくても、通院が難しく、病気等で食事の管理が必要な方は、この訪問栄養指導

の対象になる可能性がありますので、訪問してくださる主治医の方へ相談したり、

各地域の栄養士会や医師会へ相談しても良いと思います。

 

それでは、また、栄養・食事についてお伝えしていきたいと思います。

 

 

 

参考文献

 

1)R4年度老人保健健康増進等事業「ICT等を活用した在宅高齢者の栄養・食生活支援に関する調査研究事業」

2)「在宅訪問栄養食事指導による栄養介入方法 とその改善効果の検証,井上・中村ら,栄養士会雑誌(55), 40-48,20」

3)「訪問栄養指導が在宅高齢者のQOL、BMI、疾病の改善に及ぼす効果と要因, 入山ら, 日本栄養士会雑誌(64), 511-523, 202」