アイビー便り
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医療とアニマルスピリッツ
- 2025年2月15日
- 院長のゆんたく
こんにちは、アイビー院長です。
資本主義経済に生きている私たちは自由競争の波に常にさらされています。企業の経済活動の原動力として
経済産業省はアニマルスピリッツを紹介しています。
アニマルスピリッツとは経済学者ケインズが使用し、一般的には(企業家の)野心的な意欲などと
訳されていています。
アニマルスピリッツが高揚すると景気が良くなり、減弱すると景気が悪くなるような予測が出来るようです。
医療も経済活動と個別に存在する訳ではないでしょうが、この経済用語としてのアニマルスピリッツを
医療に特有な営みにあてはめることができるでしょうか?
(古代医学で使われていたことには目をつぶりましょう)
そこで一在宅医の戯言として医療版アニマルスピリッツを「ボケることなく一分一秒でも長生きしたい」
気持ちと勝手ながら定義してみます。
新規に開発される癌治療薬や認知症薬などは、われわれの願望の充足を目指した製薬会社の経済活動の
原動力になっているという点でもアニマルスピリッツによるものといえるでしょう。
確かに、新薬や新規治療法の開発で以前は不治であった病気も治癒し得る希望が生まれているのは
喜ばしいことです。この点において医療でもアニマルスピリッツは必須であると思います。
しかし、経済活動においてはバブルなどもアニマルスピリッツによるものでした。
医療においても困ったアニマルスピリッツがあるかもしれません。
自分がボケたり、必ず死ぬことを具体的にイメージするのは難しいと思います。その点、われわれは
無意識のうちに生きることについて野心的な意欲(アニマルスピリッツ)を抱いていると言えるの
ではないでしょうか。
永遠に続く経済活動とは異なり、ひと個々人を対象とする医療には必ず死という終わりがあります。
そのため医療におけるアニマルスピリッツは個々人の観点でみると永遠ではなく、上手く飼い馴ら
さねばならないのものかもしれませんね。
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