アイビー便り
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介護保険 主治医意見書からみた在宅医療
- 2026年1月18日
- 院長のゆんたく
こんにちは、アイビー院長です。
前回お話した沖縄県医師会医学会総会での当院の演題をご紹介します。
要介護認定において主治医意見書は調査員による基本調査とともに一次判定
の重要な資料となります。
また認定を下す二次判定においても、調査員の特記事項とともに主治医
意見書の記載は重要な役割を果たします(下図)

主治医意見書には申請者基本情報以外に5つの記載項目があり、1.傷病に
関する意見、2.特別な医療、3.心身の状態に関する意見、4.生活機能と
サービスに関する意見、5.特記すべき事項、となります。
そのうち、4.生活機能とサービスに関する意見において、主治医が医学的
管理の必要性として訪問診療を選択する項目があります(下図 赤枠内)

今回解析したいことは、主治医がどのような患者にどの程度、訪問診療が必要と
考えているかということです。
この趣旨をご理解頂き、個人情報をあらかじめ削除し匿名化された令和3年度の
介護認定審査会データを浦添市よりご供与頂きました。
今回はそのうち1432例を対象としました。男女とも平均80歳代で女性が約6割
を占めています(下図)

訪問診療が必要とされた割合を介護度別にグラフ化してみると、要介護5では
認定者149名中72例の48.3%で必要と判断されていました。
トータルでは280例(19.6%)となっていました(下図)

そこで必要性の割合が高い要介護3-5の方々を対象に、訪問診療を必要と
されたものとされなかったものの違いをいくつかの視点で解析してみました。
まずは年齢です。

これは違いがありませんでした(下図)
高齢者のADLは個人差が大きいことを実感していますのである意味納得です。

ついで申請区分です。
認定調査の申請は大きく分けて新規、更新、区分変更となりますが、当初より
訪問診療が行われていれば更新申請では訪問診療が必要と判断される割合が高く
なるのではないかと予想しました。

しかし更新申請でも有意差はありませんでした(下図)

そこで視点を変えてみることにしました。
多忙な医師が外来で診察した患者の日常生活の程度を正確に判定することが困難なため、
結果として訪問診療が必要なひとを取りこぼすこともあるのでは?と仮定しました。
日常生活の把握には医師と調査員の障害高齢者日常生活自立度(教えて林くんQ30)と
認知症高齢者日常生活自立度(教えて林くんQ31)の判定の違いでみることにしました。
各々の自立度を点数化して差が大きい、つまり把握が不十分ではと予想されたものの
訪問診療の必要性を見てみました。
結果は要介護3で訪問診療を必要としたもので僅かに差が大きかったものの、
要介護4,5とともに統計的有意差はありませんでした(下図)

要介護3では医師のほうに訪問診療を導入したいというバイアスがかかっていたの
かもしれません。
最後に医師の属性が訪問診療必要性の判断に影響を与えている可能性を検討してみる
ことにしました。

認定調査を行っている場所が自宅(居宅)や施設では、主治医意見書を作成するものは
在宅医や外来クリニック医師、病院医師など様々であることが予想されます。
しかし認定調査場所が病院である場合、病院勤務医が主治医意見書を作成していると
考えて大きな間違いはないでしょう。
各介護度で比較してみても医療機関の医師の訪問診療の必要性判断の割合は必ずしも
低くないことが示唆されました(下図)

以下がまとめとなります(下図)

医師が訪問診療を必要と判断するのは、やはり傷病名も重要と思いますが今回は残念ながら
解析していません。
また浦添市の介護認定審査会の対象は年間3000例を超えるのですが、今回はコロナ禍が
冷めやらぬ令和3年度のデータで対象数が少なめでした。
1年間すべてのデータも用いて再解析にトライしたいと思っています
(時間かかりそうですが)
ご意見、ご指摘などありましたら以下よりお気軽にお願いします。
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